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工具の基礎知識 「LLCのはなし」

エンジン冷却装置と水の役割

フルードテスタ

エンジンは燃料の燃焼により常に熱せられており、この状態のままにしておけば当然オーバーヒートしてしまいます。冷却装置はそのエンジンを冷やし適温に保つ役割をもっています。
冷却装置には空冷と水冷があり、クルマには一般的に水冷が用いられています。水冷式はウォーターポンプの力で冷却水を循環させエンジンから熱を奪い、その熱により温められた冷却水はラジエーターで冷却され、再びエンジンへ送られその作業を繰り返します。

LLCとは
LLC濃度と凍結温度の目安
LCC濃度 凍結温度
30% −15℃
35% −20℃
40% −24℃
45% −28℃
50% −36℃
55% −41℃
60% −54℃

冷却水に使用される液体は主に水ですが、水は0℃以下で凍結し100℃以上で沸騰し蒸発する性質があります。どちらの状態になっても重大なエンジントラブルを引き起こしてしまいます。LLCは、その水の氷点を下げるとともに、沸点を上げる役割をもつ薬品です。従来は不凍液が主流でしたが、不凍液は劣化が早く一冬が終わると交換が必要でした。LLC(ロングライフクーラント)の主成分はエチレングリコールで、各種金属(鉄・アルミ・銅系)に対する防錆添加剤が入っており、長期間にわたり使えるエンジン冷却液です。
長期間使用できるLLCですが、時間の経過とともに主成分のエチレングリコールが徐々に酸化し、腐食性物質が生成されていきます。また防錆添加剤も消耗し、防錆性能も低下します。劣化したLLCを使い続けると、ラジエータ−がつまったり、ウォーターポンプが損傷したり、最終的にはオーバーヒートなどのエンジントラブルにつながるため、定期的な交換が必要です。

■ LLCの濃度

LLCの濃度は新車の段階で30%とされていますが、濃度が高いほど凍結温度が下がるので、寒冷地では濃度が上げられています。しかし、濃すぎてもよくないので上限は60%程度と言われています。尚、LLCの濃度と凍結温度の関係は上記の通りです。又、現状の凍結温度はフルードテスタ(P.227に掲載)でチェックすることができます。

■ LLCの色

LLCの主成分エチレングリコールは毒性をもった薬品です。ですから誤った飲用を防ぐために着色されています。色には赤系(主にトヨタ車)とグリーン系(主に日産車)があり、色による性能差はありません。しかし、違う色を混ぜるのは極力避けた方が無難です。

■ LLCの毒性

LLCの主成分であるエチレングリコールは人体に有害で、一定量を超えて体内に入ると死に至ります。近年施行されたPRTR法においても特定化学物質に指定されており、取り扱いには注意が必要です。


工具の豆知識

PRTR法

PRTR(Pollutant Release and Transfer Register:環境汚染物質排出移動登録)正式名称:「特定化学物質の環境への排出量の把握及び管理の改善の促進に関する法律」のことで化学物質管理促進法(PRTR法)と言われています。この法律は、化学物質の管理強化と環境の保全を行うためのシステムづくりを目的として2001年から施行された法律で、人の健康を損なうおそれがある化学物質の、環境への排出量等を取り扱い業者が把握し、国に届け出ることを義務付けています。


CO2の削減問題に対するKTCからのご提案

現在注目されているCO2排出量の削減問題ですが、整備をする上でも、このCO2排出量の削減が出来るとKTCは考えます。それはLLC注入後のエア抜き作業時のアイドリングを無くす事。KTCのクーラントチャージャー(No.AE401)なら、アイドリングをすること無くLLC注入後のエア抜きが完了するので、すべての整備工場でこのクーラントチャージャーによる注入を行えば、年間3000万台を超える車検時(※1)のLLC交換時にアイドリングをする必要がなくなるのです。1台あたりのエア抜きに要する時間を30分とすると消費する燃料がおよそ0.4リットル、CO2の排出量として約270g(※2)と考えられます。したがって、仮に車検時のクルマがすべてLLCを交換したとすると、なんと8100tものCO2が削減できるのです。

※1 3000万台の年間車検数には軽自動車・ディーゼル車も含まれるため実際の値はもう少し低くなります。
※2 環境省データより


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